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新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第676号 (2023年10月号) リスペクト  新庄  純

今月の短歌


自習室にいっても集中できなくて
結局いつも家のリビング

米子校舎 中学3年 
    平原 優羽



君たち 僕たち① 
米子校舎 中学3
  才木 鈴 さん





 昨夏。記者は夏期講習で中学英語を担当しました。中学二年の講義が終わった後、一人の女の子が教卓にやって来ました。「英語の発音が上手くなるにはどうすればいいですか?」この講習が初対面なのにこんなことを聞いて来るなんて勇気のある子だなあと思ったことをよく覚えています。発音上達のためのバイブルのような本を持っていたので「返してくれるのは三年生になった時でいいから」と言って貸しました。
 四月。才木さんはこの本をちゃんと持って来てくれました。英語は変わらず得意なまま。「高校入学後は英検を頑張りたい」「将来は医療関係の仕事に就きたい」ビジョンは明確です。
 若葉には二年生から。部活は美術部。今年も県展に応募するそう。発表は十一月。
 友達の古志さんは「とても優しくていい人。いつも頑張っているイメージ」だと言います。先日記者が朝早く目が覚めてしまって困っている話をしたら、次の授業後に「今日はよく眠れましたか?」と尋ねてくれました。涙です。
(担当 吉野)

君たち 僕たち② 
高校リターン科 2年
 藤井 匡さん


 昨年からクラーク高生の仲間入りをした、藤井匡くんを紹介します。藤井くんにクラーク高校に入った感想を聞くと、「楽しいですね。」と即答でした。普段は体験できないことができる特別活動や、学年をこえて話ができることがとても気に入っているそうです。静かな生徒が多いクラークの2年生ですが、藤井君のおかげで、クラスがちょっぴり明るくなってきた気がします。そしていつも周りを気にかけてくれる、優しい藤井くんなのです。担任としては、とても頼もしい存在です。
 藤井君の趣味は音楽です。最近、ついにベースを買うことができたと笑みを浮かべていました。毎週パルスでレッスンを受けていて、いつかは人前で披露できるようになりたいですねと目標をかかげてくれました。
 将来については、まだ具体的に決まってはいないそうですが、いろいろな人と関わりたいという気持ちが強いようです。2年生も半分が終りました。残された高校生活で、しっかりと目標を決めて、夢をつかんでほしいです。
(担当 兼折)

卒業生はいま 







広島大学経済学部
 荒井  崇寿 さん
 古徳  一希 さん

 
 二人は小学生の頃からの仲の良い幼馴染で、中学・高校・大学と全て同じという珍しいコンビです。現在、二人は広島大学の経済学部で、面積が約250ヘクタールという国内有数の広さを誇る東広島キャンパスに通っています。今年の春に大学生になったばかりなので、最初はその広さに圧倒されたそうです。
 高校生活では、模試の判定に一喜一憂せず、目標に向かって頑張っていた崇寿くん。若葉の後輩たちにもそういう心構えでいて欲しいとエールを送る彼は、今ボランティアサークルに所属し、児童と楽しい時間を共有しています。また、公務員講座を録画するというアルバイトを始めたそうで、充実した時を過ごしています。この夏は自動車学校に通い、免許を取ることが目標。無駄のない時間の使い方が、彼らしくてとても好感が持てますね。
 一希くんも、この夏は教習に通って忙しい日々を過ごしています。中学生から始めたバスケットを今でも続けているそうで、「大学のサークルもレベルが高いです!」と嬉しそうに語ってくれたのが印象的でした。若葉の後輩たちに何かアドバイスをお願いすると、「勉強ばかりではなく、今しかできない青春をしっかり味わって欲しい」とのこと。米子東での高校生活は、勉強だけでもかなりハードです。それでも、部活や趣味などにも時間を費やし、青春をしっかり堪能できたことは、彼の努力あってこそだと思います。二人とも、これからも後輩たちの手本となるような大学生でいて下さい。
(担当 古徳)

学園ニュース








夏の思い出がたくさんできたようですね。
(倉吉校舎)

 今年の夏の終わりは、コロナ禍が明け、日常が戻ったことを実感する出来事が多くありました。写真は、小学6年のみなさんが、それぞれ県外に旅行に行き、持ってきてくれたお土産です。岡山、和歌山、東京、それぞれ旅行の思い出を作文で書いてもらいました。これは倉吉校舎の「作文・読書感想文講座」の指導の一つですが、この3年、近場での夏の思い出の作文ばかりでした。今年は刺激的な良い夏の思い出ができましたね。
 また中学校では「体育祭」が催されました。会場に到着したときにはすでに閉会式で、残念ながら、生徒の躍動する姿を見ることはできなかったのですが、生徒保護者のほとんどがマスクを着用してない様子を見て、コロナ禍が明けたことを実感した9月となりました。
(担当 濱)

職員随想 








リスペクト
 新庄 純


 最近の「日本代表」は面白い。サッカー、野球、バスケット、ラグビー…。この数か月の間、家のテレビの前で何度ご近所迷惑な歓声を上げただろうか。
 昨年十二月、カタールで行われたサッカーワールドカップ。サッカー日本代表「サムライブルー」はグループリーグで歴代の優勝国ドイツ、スペインと同組になり、決勝トーナメントには進めないだろうというのが世界中の予想だった。前半は押しに押されまくった初戦のドイツ戦。後半途中で投入された攻撃的な選手たちが次々と躍動して、見事な逆転勝利。スペイン戦も前半はボールを保持されて〇対一で折り返したが、後半開始から投入された三苫選手、堂安選手が大活躍。話題となった「三苫の一ミリ」で逆転勝ちを収めた。決勝トーナメントでは、強豪クロアチアから前半に先制したが、追いつかれ同点でPK戦となり、惜しくも敗れた。どの試合でもチャンスを迎えるたびに、ピンチを迎えるたびに、もちろんゴールの瞬間にも大声が出た。ドイツ戦の放送は夜十時、スペイン戦は朝四時。クロアチア戦は深夜〇時。近所からも歓声が聞こえたので、罪悪感は少し薄れた。
 三月に行われたワールドベースボールクラシック。準決勝メキシコ戦では、劣勢の七回に吉田選手の同点スリーランホームランで追いついたものの、八回に追加点を奪われ大ピンチに。しかし、九回裏に今大会不調だった村上選手のヒットで逆転サヨナラ勝利。決勝の九回二死、迎えた相手チーム最後の打者には、大谷選手の同僚でメジャーリーグエンゼルスのスーパースター、マイク・トラウト選手が登場。まるで漫画のようなシチュエーションを大谷選手が三振で抑え、みごと「侍ジャパン」が優勝した。両試合とも朝八時の放送時間。出勤時間まで余裕があったので、テレビにかじりついて一球一球にドキドキして声を上げた。
 「サムライブルー」、「侍ジャパン」、バスケット「アカツキジャパン」、ラグビー「ブレイブブロッサムズ」…。これらの選手は普段は所属チームと契約し、給料をもらっている。このプロスポーツ選手の給料の基になっているのは、スポンサー収入、放映権料、そしてグッズ販売収入と入場料収入である。ファンは自分のひいきのチームや選手を応援し、チケットを買って試合会場へ足を運んだり、テレビやネットの前で声を上げたりする。「推し」に課金するファンあっての選手であることには間違いはない。だからといって、ファンが何をしても許されるというわけではない。最近Jリーグで、敗れたチームのサポーターが大挙してピッチに乱入し、暴力行為や破壊行為に及んだ事件があった。プロ野球では打たれて降板した投手のSNS上に誹謗中傷が投稿され問題になった。来季の契約準備などでバスケットワールドカップの代表を辞退した八村塁選手には「オリンピック出場する資格はない」と批判的な中傷もあった。
 ひいきのチームが勝った、負けたで気分が浮き沈みするのはわかる。選手は活躍すれば称賛されるし、期待を裏切れば批判されることを承知のうえでプレーしている。自分のため、もちろんファンのため、最高のパフォーマンスができるよう日々努力している選手たちにもっとリスペクトを送ろう。その上で、感情的になりすぎず、最高のプレーには惜しみないエールを、不甲斐ないそれには愛を込めてバッシングを送ればいい。僕はこれからも歓声を上げたい。ご近所に少しだけ気を遣いながら。

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