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新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第675号 (2023年9月号) 母の「土産」?  門脇 条司

今月の短歌


シャリっとね すいかを食べる君見つめ
来年の夏の予定を立てる

米子校舎 中学1年 
    有馬 果南



君たち 僕たち① 
米子校舎 中学2
  小関 咲菜さん





 授業中私が計算違いをすると、最前列にいる小関さんが「先生、そこは違います」と言ってくれます。
 運動が苦手だという彼女は、先輩の誘いもあって学校では家庭部に所属しています。主な活動は手芸で、特に指導してくれる人のない中、ネットなどの情報を頼りに、これまでブックカバーやキーホルダー,眼鏡ケースなどを制作しています。今は文化祭の展示を目指して、マフラーに挑戦中です。
 家ではクッキーを作るなど家庭的なことが好きという反面、生徒会長を目指しているという活動的な面を持つ彼女の座右の銘は「私は自分のしたことについて後悔したことはなかった。しなかったことについてのみ、いつも後悔を感じていた」(文豪ストレイドッグスより)です。
 そんな彼女の将来の夢は「弁護士」です。昔から法律に興味があり、いろんな人を法律で守りたいと言う夢を持っています。もし弁護士なれたら、彼女ならきっと裁判でも「検事、そこは違います」とはっきり主張することでしょう。       (担当 河田)

君たち 僕たち② 
境港校舎 中学3年
 西山 颯悟さん


 今年度の境港校舎の生徒たちは、シャイな子が多く、生徒紹介「きみたちぼくたち」を、誰にするか苦慮していたところ、助けてくれたのが、西山颯悟君。授業中でも、クラスの雰囲気を盛り上げてくれるメンバーの一人です。
 彼は今、中学三年生。部活動最後の年ということもあり、この夏は大好きなバドミントンに全力を注ぎました。先日あった県大会では惜しくも破れてしまいましたが、高校では、またリベンジすると誓ってくれました。
 県大会が終わった後は受験生として勉強も頑張っています。将来の夢の一つにゲームクリエイターになるということもあり、そのために高専に進学することを目標にしています。ただ、県立高校に進学し、その後大学で幅広い知識を学びたいという気持ちもあるようで、現在志望校については迷い中。将来を見据えた考えを持っていることに、改めて感心しました。
 そんな彼の休日の気晴らしはゲーム「フォートナイト」。彼女募集中ということも最後に付け加えておきます(笑)
(担当 古徳)

卒業生はいま 







GOOD SMILE COMPANY
楽月工場勤務
  家高 竜治 さん

 
 今でも倉吉に赴任した20年前当時の生徒名簿を手元に置いています。連絡先が全生徒、家の電話番号である時代のものです。緊張しながらアポ電、昔と変わらないお母さんの声…。
 忙しい中、仕事帰りに若葉を訪問してくれた竜治くん。少し体型は変わりましたが、「メタボで」とはにかみながら話す彼の表情は20年前そのものでした。会話の中での彼の言葉遣いの1つ1つには社会人らしさが感じられました。現在は人気アニメ、ゲームに登場するキャラクターフィギュアの製造に関わる仕事をしています。管理職となり日々大変とのこと。また副業として、前職の経験を活かし予備自衛官に登録し、年に5回訓練に参加しているのだそうです。
 鳥取大学に合格した時のエピソードや、若葉に一緒に通学していた同級生は今~など、昔の思い出話に花が咲きました。一緒に川で釣りをしたこともありましたね。川釣り体験のない私に、丁寧に教えてくれたことは今でもよく覚えていますよ。今は釣りをしなくなったそうで、暇なときは、仕事のモチベーションを保つ意味で、マンガを読んでいるんだとか。
 竜治くんには2人の妹がいて、ともに若葉の卒業生。それぞれお子様が2人いるそうで、いいお母さんしているのでしょうね。竜治くんは現在34歳、花嫁募集中、それが将来の夢!?
 別れ際「またいつでも声をかけてください」の一言に胸が熱くなりました。そして今通学している生徒の20年後の姿を少し想像してみた1日となりました。
(担当 濱)

学園ニュース








ほんとうに暑い夏休み,熱烈に指導しました!
(境港校舎)

 今年の境港校舎の夏期講習は七月下旬から始まり、例年通り八日間実施しました。各高校の見学会などで欠席しないといけない日もありましたが、みなさんこの灼熱の暑さの中、頑張って通ってくれました。特に三年生は、基礎クラスも応用クラスもほぼ満席状態で、入試への意気込みを感じることができました。通常の授業は、数学と英語の二教科ですが、この夏期講習は五教科対応。普段会うことのない講師陣に刺激を受けた生徒も多かったと思います。
 八月の中旬からは夏期特訓が始まり、三年生にとってはお盆も休む余裕なんかありません。「学校の宿題をする時間がありません」という生徒からの恨み節を背中に受けながら、今日もしっかりと指導していきます。      (担当 古徳)

職員随想 








母の「土産」?
 門脇 条司


 この夏で八十四歳になる母は野球を観るのが好きで、とりわけ巨人を応援するのがそれこそ三度の飯より好きだ。元来旅行好きでもあり、東京ドームにはもう何度も足を運んでいて、そのたびに「冥土の土産だ」と言って喜んだ。
 今年の春先、コロナ禍の余波も気になり、自家用車で行ける広島のマツダスタジアムでの巨人戦に連れて行こうと計画した。チケットの入手がとても難しいのだが運よく人気のテラスシートという席を確保できた。試合には負けたが、ソファーにゆったりと座り、テーブルに広げたオードブルをつつきながらの観戦は実に快適だった。
 デイゲームを終え、これも母の所望した宮島に向かった。宿にも食事にも妥協したくない性分の僕は随分早くからウェブ上を探し回り、「汐まち庵」という二食付きの宿を見つけた。厳島神社から徒歩五分の昔ながらの町並みが残るエリアの古民家。二階が宿泊スペースで、二間の和室と風呂とトイレがある。そして一階はなんと寿司屋になっていて、カウンターと座敷があり、宿泊者はその座敷で夕食と朝食をいただくようになっている。口コミのほとんどが満点で、殊にお寿司の評判はとてつもなくよい。星の数で決めるわけではないが、家族は皆大の寿司好きであり、多くの口コミに書かれていた「食後のサービス」にも魅力を感じ、この宿に決めて予約した。
 やはり僕の目に狂いはなかった!いや予想以上だった。宿泊スペースについては、古民家ゆえの狭くて急な階段を除けば十分に快適であった。
古民家を改装した宿は水回りに不便さを感じることが多いが、ここは風呂もトイレも最新の機能を備えていた。そして食事だが、これはもう筆舌に尽くしがたい。僕は港町で育ち、時々は贅沢な食事に出かける習慣もあるため、それなりに美味しいものを食してきた自信はあったが、それがいかに脆い自負であったかを思い知らされた。全十六品のおまかせコースで、一品一品が職人が丹精込めた「作品」であった。寿司はネタの新鮮さが全て、などという向きもあるが、ここの寿司はネタが新鮮なのは当然であり、そのネタに職人のアイデアと包丁の技が凝縮している。ウェブに北海道や東京からのリピーターが多いとあったが、なるほどとうなずいた。
 大満足の食事が終わると、大将が「もしよかったら宮島の夜景を見に行きませんか?」と言ってきた。そう、例の「食後のサービス」だ。さっきまでの白衣を脱ぎ捨て、包丁をカメラと照明器具に持ち替え、大将自らが案内人兼カメラマン兼照明係となってくれるのだ。母は歩くのが少しずつままならなくなってきているが、大将に続いて意気揚々と歩いた。大将の本物のホスピタリティのお陰で、素敵な写真と、あたたかい思い出をたくさん残すことができた。宿に戻り大将にお礼を言い「もう少しお値段を高くしてもいいんじゃないですか?」と言うと、大将は「いい魚が安く手に入るんですよ」と言って笑った。ちなみにこの宿の料金は、極上のお寿司と朝食、夜景ツアー込みで一人一万円ほど。信じがたい。
 翌朝、座敷で朝食をとっていると、玄関のガラス戸を覗く人影が…いや人ではなくよく見ると子鹿だ。配膳係のご婦人曰く、親を亡くした子鹿の面倒を大将が見ているとのこと。大将のホスピタリティは人間にとどまらない。帰路、母は何度「冥土の土産だ」と喜んだことか。奇跡的に晴れた梅雨の晴れ間の旅。いい旅だった。

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