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新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第674号 (2023年8月号) チューリングのこと  校長 小田原 利典

今月の短歌


夏休み雨が上がって庭見れば
雨の水てき花のかざりつけ

倉吉校舎 小学6年 
    竹田 音奏



君たち 僕たち① 
米子校舎 中学1年
  関 竜一さん





 授業中も積極的に発言をしてくれ、クラスを盛り上げてくれる関君。分からない部分を相談したり、休憩時間にいつも友達と話していたりと、よい仲間を持っている姿も印象的です。学校では水泳部に所属しており、現時点での志望校を東高に定めて勉強に励んでいます。少し目標の高さを心配しているようでしたが、早くから目標を立て自己分析もしっかりできている姿には、少し安心感を覚えました。彼が目標を達成できるよう、私もサポートしたいと思います。
 そんな関君の好きなものは生き物で、特に昆虫が好きだそうです。幼いころにお母さんと散歩をしているときに昆虫と触れ合ったことが好きになったきっかけだそうで、そこからずっと好きだそうです。幼いころの思い出が大切にされているエピソードがとても印象的でした。
 まだ中学生になって数ヶ月ですが、英語にそこまで苦戦しているといった様子はなく、教科担当としてはうれしい限りです。これからも苦戦することが無いよう、わかりやすい指導を心掛けたいです。
(担当 荒島)

君たち 僕たち② 
米子校舎 高校3年
 三宅 優輝さん


 若葉には中学1年から通ってくれている優輝君。写真のように、いつもニコニコ楽しく笑っている印象の彼です。若葉に来るのが楽しくて、他校の生徒とたくさん友達になったそうで、そんな友達と休憩時間におしゃべりするのがとても好きとのこと。また、若葉には、ユニークで優しい先生方がいっぱいとの印象で、先生方とのおしゃべりも大好きだそうです。好きな科目は、数学。若葉で習う数学が特に大好きとのこと。部活は中学から続けているテニス。高校では副部長。部員からの信頼も厚いとのこと。部活や授業で疲れているとは思うのですが、若葉でも授業に全力集中。休みの日はのんびりと大好きな読書でリフレッシュ。マンガ、小説、専門書など、あらゆるジャンルの本を読むそうです。もちろん参考書も入っていますとのこと。
 将来の具体的な夢はまだないそうですが、医療関係の大学に進みたいそうです。そして、「人を助けることができる仕事がしたいです。」とのこと。そんな夢に向かって日々頑張る優輝君です。
(担当 池渕)
 

卒業生はいま 







松江地方法務局
出雲支局
  矢田貝 直人 さん

 
 彼がクラーク高校を卒業したのは三年前のこと。在籍当時から自分であれこれと企画することが好きだった彼は、卒業してからも同級生や後輩たちと集まりを企画することがよくあります。私にも声をかけてくれることがあり、その時は喜んで参加させてもらっています。
 卒業後は公務員系の専門学校に進学しました。一年目は一次試験を突破したものの、二次試験で残念な結果となりました。その後、もう一年頑張ることに決めて、無事に最終試験まで突破することができたようです。この四月から出雲市で一人暮らしをしながら、国家公務員として働いています。初めての一人暮らしで、かつ不慣れな場所のために、当初はなかなか生活のリズムが作れなかったり道がわからなかったりして苦労したと言います。でも、三カ月ほどたった今では徐々にその苦労もなくなり、少しずつ余裕も出てきたと話してくれました。
 登記部門に配属になった彼の主な業務内容は、不動産の登記に関すること。司法書士とやり取りをしたり、親や家族が亡くなって財産を相続したいという方に対応したりすることが多いとか。まだ働き始めて三カ月ほどなので覚えることも多く、相続したいという方への説明がとても大変だとのこと。職場の人間関係には恵まれているそうで、上司の方によくしてもらっているそうです。国家公務員ということで転勤が付き物ですが、人によって転勤の範囲はさまざまなようです。彼は鳥取県内を希望していて、いずれは地元である鳥取県内にもどってきたいと話してくれました。     (担当 福本)

学園ニュース








夏期講習はワン・チームで熱烈に指導します!

 若葉では数年前から、夏期講習の恒例としてユニフォームTシャツを作成しています。今年度分が7月11日に納品されました。今年はネイビーのVネックドライTシャツです。前作よりもユニフォーム感が強まっているでしょうか。もちろんエンブレムは "Never categorize." 7月24日(月)より全講義担当者がこのTシャツを着て熱い講義を届けます。現在は、テキストの作成・印刷など、職員総出でベストの講習実施のために鋭意準備中です。自習室使用不可などの迷惑をおかけしますが、7月14日から22日にかけては、全館の徹底清掃を行います。
 夏期講習の開講まであと2週間。最高の学習環境の中で、職員が熱いワンチームとしてみなさんを強力にサポートします!期待してください!  (担当 吉野)

職員随想 








チューリングのこと
 校長 小田原 利典


 チャットGPTが大きな話題になっている。インターネット上で使える対話型AI「チャットGPT」が公開され、2カ月で利用者数が1億人に達したという。文章や詩を自動で作ったり、自然なやりとりで質問に的確に答えてくれる。現在、大学生の多くがレポート作成に利用し、東京都では8月から業務利用にチャットGPTの導入を決めた。今までにない速さで社会を変化させていくAI分野の発展は留まるところを知らない。
 東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発プロジェクトを進めてこられた国立情報学研究所の新井紀子教授によれば、東ロボくんに大学センター試験を解かせてみると、5科目8教科全体の偏差値が57となるなど、人間の受験生の上位2割に入る成績を収めたが、国語の偏差値は49と読解力が低く、AIは問題文を理解できないことがわかった。問題文の意味が分からないまま蓄積された大量のデータを学習して統計的な処理で、それらしい解答を導くという現在のAIの方式では、東大に合格できる読解力を身につけることは無理だと判断された。新井教授は、論理的な思考を行う人間の脳と違う方式で結果を出す現在のAI技術に依存し、社会が変わっていくことに警鐘を鳴らしておられる。
 さて、今日のコンピュータ科学がここまで急速に発展してきた歴史を振り返ると、ビットという情報の単位を考案し情報理論を構築したシャノン、プログラム内蔵方式を発明したノイマン、計算機の基本原理を考案したチューリングらの3人の数理科学者を上げることができる。
 ここでチューリングのことを少し書いてみたい。チューリングは1912年生まれの英国の天才的な数理科学者である。彼の業績はさまざまな分野にまたがるが、コンピュータのない時代に、仮想計算機・チューリングマシンを考案した。これは理論上の機械で、任意の長さのテープと、テープの上を移動、読み書きできるヘッドで構成され、この動作により、あらゆる計算が可能となる。少し難解だが、興味のある人はネット上に多くの解説があるので勉強されたらよい。チューリングの時代は第2次大戦中であった。英国の戦艦や商船はナチス・ドイツ軍に次々に破壊され、英国は深刻な危機を迎えていた。ドイツ軍はエニグマという暗号機を駆使して攻撃していた。英国政府はチューリングにこの暗号を解読することを依頼した。彼は苦心してボンバという暗号を解読する装置を完成させ、見事にドイツ軍を撃退することができた。国を救ったその業績は重要な国家機密として全く公表されなかった。その後、チューリングは悲しい結末を迎えることとなる。チューリングは同性愛者だった。当時の英国は同性愛は法律で禁じられていた。ある日それが発覚し、矯正治療という罰を受ける日々を送ることになる。チューリングは苦悩の中で、1954年、自ら命を断った。彼の傍らには青酸カリを含ませた、かじりかけのリンゴがころがっていたという。情報量の単位、ビットの上位はバイトである。バイトは「かじる」という意味もある。スマホやPCの有力メーカー・アップル社のロゴマークは、かじられたリンゴである。これらはチューリングへの想いがこめられているようだ。しかし、アップル社は何もコメントをしていない。
 それはただただ「都市伝説」となって巷を徘徊している。

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