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新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第672号 (2023年6月号) 長男の結婚式 吉野 正泰

今月の短歌


大丈夫」家族の言葉が私の守り
  ぎゅっと握って夢に向かおう

米子校舎 高校3年 
    井上 結生



君たち 僕たち① 
米子校舎 中学1年
安本 優花さん





 誕生日ケーキやクリスマスケーキにたっぷりとのった生クリームをイチゴと一緒に頬張る、ああなんて幸せでしょう。今では季節感のないイチゴですが、旬はいつなんだろうと思ってしらべてみたら、今でした。そりゃそうですよね、優花さんが「うちの庭でできたので少しですが食べてください」と分けてくれたのは先週のことです。「畑」ではなくて「庭で」というのが気になって話をきいてみました。
 「お花をそだてることが好きなお母さんが苗をわけてもらってきたことがきっかけ、庭でつくりはじめて今年が2度目です」と教えてくれました。育てるのはそこそこ大変だったのではない?と問いかけてみると「私は食べる専門です」とニッコリ。分けていただいたという苗からできた旬の苺をお裾分けいただきましたので、いただく専門にならないように幸せのお裾分けをしたいと思います。
 優花さんは「若葉には目標の高い人がいるから居心地がいい」と言います。将来の目標は医療系のお仕事。若葉でグングン育ってください。
(担当 佐布)

君たち 僕たち② 
倉吉校舎 中学1年
野間田 銀次郎さん


 四月、ランドセルと黄色い帽子がトレードマークだった姿が、中学校のジャージ姿に変わると、「おお、中学生になったんだ。」と感慨深いものがあります。銀次郎君もその一人。彼はバスケットボールが大好きな少年です。
 物怖じせず、誰にでも積極的に話しかけ、誰とでもすぐに仲良くなれる性格です。器の大きさを感じます。その器がさらに大きくなる出来事がこの春ありました。アメリカに短期留学をしたのです。私の留学経験から、日本人にはシャイで日本人同士で固まってしまうタイプと、積極的に他国の人に話しかけるタイプの二つに分かれます。彼はもちろん後者。「楽しかった?」「うん、また行きたい!」とのこと。「何したの?」「ホームスティ先のお父さんとバスケした。」日常できることも彼にはとても新鮮な体験だったようです。そんな彼なら、将来言葉や人種の壁を越えてたくさんの友人ができることでしょう。そしてさらに大きな器となり、少年から立派な青年へと成長するのでしょう。今後の彼の成長が楽しみです。
(担当 濱)

卒業生はいま 







岡山大学医学部医学科
  山根 知也 さん     
 
 「先生に置き土産として、自作の積分問題を差し上げます。」と言い残しこの春岡山大学医学部医学科に進学した山根君。なかなかに解き応えがある良問でした。そんな問題を私に出してくるだけあって、数学の能力は一流です。彼の作る答案は抜け目がなくて美しい。入試の前日に、「岡大を掌で転がしてきます。」とメールをくれましたが、恐らくそうなるだろうなぁとこちらも安心してみていられるほどでした。
 大学生活が始まってからも趣味として数学に時間を割きたかったようですが、さすがに医学科は忙しそう。特に高校時代の理科の選択が物理だったため、生物の勉強に時間がとられて大変みたいです。「物理選択で医学科に受かった後は、入学前から生物の勉強を始めることを強くお勧めします。」と後輩へのアドバイス。その道に進みたい人は参考にしてください。
 大学の講義は座学のものは楽しくないようですが、実習では病院に入る機会が入学直後からあって、院内を白衣で闊歩する5・6年生をみると、モチベーションが上がるそうです。
 今後の展望や野望は、「課題に追われて忙しいですが、好きな数学と将来留学するなら必要となる英語をがんばりたい」とのこと。大学を遊びにいくところではなく、学び場だと正しくとらえているところに好感が持てます。そういえば先日「ふと頭に降りてきた」という数学のテクニックを報告してくれました。日々そんなことを考えているのかと思うとうれしいですね。よき教え子で数学仲間です。
(担当 小西)


学園ニュース








境港校舎にマルチな才能,永見先生登場!

 二年間境港校舎の英語科を担当してくださった美柑先生が、昨年度を最後に、若葉を退職されました。代わりに今年度からは、三学年分の英語を永見先生に担当していただくことになりました。
 永見先生は、三十年以上も英語を指導されているということもあり、授業は納得の安心感。生徒から聞くと、授業中ではユーモアな一面もあるそうです。また、英語だけでなく数学や理科など複数科目を指導できる点も他の教員にない強みがあり、私自身とても頼りにしています。
 昨年の三年生は、全員が第一希望に合格することができました。今年も永見先生と一緒に生徒たちを合格させられるよう尽力していきたいと思っています。
(担当 古徳)

職員随想 







長男の結婚式
    吉野 正泰


 トイレが近い。何をするにもまずトイレに行かないと落ち着かない。ライブやフェスなど、トイレに困りそうなことが予想される場合には、大人用のオムツを準備する。幸いまだ使用したことはないが。
 小学生の頃からだ。精神的なものなのだ。バス遠足の時にトイレに行きたくなり、バスを途中で止めてもらって事なきを得たのだが、バスに戻った途端、バスガイドの「拍手〜」というマイクを通した掛け声と、クラスメートたちの盛大な拍手に迎えられた。それから四十年以上、僕はトイレの確認を怠らない。
 長男の結婚式。新郎の父は恐れていた。袴が怖い。どうやって用を足すのだ?脱がなくても行けるのか。脱いだら自分で着れるのか。式はリハーサル込みで約4時間。我慢するのは無理そうだ。江ノ電に揺られながら、考えることはもっぱらトイレの心配になっている。めでたい日とは思えない。
 長谷駅で降りて五分ほどを歩き、式場に着いた。建物を外から撮影するために道路の反対側に渡って写真を撮り、戻って中に入ろうと、扉の脇に立っているスタッフと思しき女性に声をかけた。「ここから入ればいいですか?」「本日は結婚式で貸切となっておりまして…」「えーっと、ワタクシ新郎の父でございまして…」「あっ、申し訳ございません!」といういかにも僕らしい歓待を受けながら引き戸を開ける。記者会見のカメラのフラッシュのように、スタッフの「おめでとうございます」の声を身体中に浴びる。あれだけトイレのことを心配していたことを忘れてしまい、飲み物を勧められ、アイスコーヒーなどという利尿作用の高い飲み物を選んでしまう。愚かである。
 しばらくして、着替えの声がかかる。突っ立ったままでどんどん着せられていく。帯を締め終わり、扇子を渡され、着替えが完了すると、着付けをしてくださった女性に恐る恐る尋ねた。「あのー、トイレってどうやって行けばいいんでしょうか…」「バサッと前から全部捲り上げてください!」「それでいいんですか?」「いいんですよ」安堵〜。そうか、捲り上げればいいのか。こんなにキッチリ締まっていても、捲り上げればできるんだ。トイレの心配のない世界の何と素晴らしいことか。心が晴れ渡る。
 捲り上げれば解決、とわかってしまえば、もう式には楽しみしかない。祝言という厳かな形の式と、親戚だけの小さな宴ではあったが、いや、それだからこそ、息子が大人になったことを実感したし、温かな空間をしみじみと味わうことができた。簡単な親族紹介以外の挨拶もないし、僕は心からリラックスして、息子たちが素敵な人々に囲まれていることを改めて感じながら、二人の門出を祝っていた。くつろぎ過ぎた僕は、突然「お父さんの今のお気持ちは?」というインタビューを受け、「最高です!」と在京球団の選手のような受け答えをしてしまった。これはヒーローインタビューではないし、僕は今日ヒーローではない。
 息子は周囲の人々に恵まれ過ぎていると言っていい。そのことにとても感謝しているということを彼から度々聞かされ、その言葉の中に彼の本当の意味での成人が感じられた。二十五歳。社会人四年目での結婚は今の世の中では早い方だと思うが、早すぎるとは思わず「おめでとう」と即答できたのは、それが大きな理由だった。
 浮かれ過ぎた新郎の父は、ビールを飲み過ぎたせいで結局三度もトイレに行き、その度に袴をバサッと捲り上げたのだった。

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