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新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第665号 (2022年11月号) テレビ時代の衰退 河田 健二

今月の短歌


文化祭はじける笑顔もくやし涙も
 すべて青春の一ページ


倉吉校舎 中学3年
    山﨑 志歩



君たち僕たち① 
松江校舎 中学1年
小原 結菜さん


 結菜さんにとって最近の楽しかった出来事は、横浜スタジアムで、横浜DeNAベイスターズと広島カープの試合を観戦したことです。プロ野球の雰囲気には、とても興奮したそうです。実は、結菜さんは、九月の連休を利用してお兄さんが大学生活を過ごしている東京に家族で出掛けたのです。今回の野球観戦は、楽しい家族で過ごす東京旅行の思い出となりました。
 今年は、結菜さんにとっては、小学校から中学校へ進学した大きな節目の年です。小学校では少人数の環境でしたが、中学校になってそれが一変しました。クラスメイトが増えて、気の合う友達もできて明るく中学校生活を送っています。勉強は、計画的に目標を立てて取り組んでいますが、理科の密度計算だけは、今、苦戦中です。「理科なのにどうして公式があるの?」と、小学校の理科との違いに戸惑っているようです。
 小さな子供に接するのが好きな結菜さんの夢は、赤ちゃんの誕生に関わる仕事をすることです。その夢の実現のために若葉で頑張っています。
(担当 永見)


君たち 僕たち② 
米子校舎 高校2年
川上 海音 さん



 授業を担当して一年半。高校生とは、普段あまりプライベートの会話はしなくなりますが、取材を通して初めて知ることがたくさんあります。
 身長百六十七センチという高身長の海音さん。取材で感じた彼女の信念は「陰で支える存在になりたい。」ということ。その言葉通り、部活は陸上部のマネージャーとJRC(赤十字ボランティア)の部長を兼務しています。ただ、献血は十八歳以上という決まりがあるため、街頭で献血の呼びかけやポスターの作成・掲示などに奮闘しているそうです。普段はイケイケの海音さんが、陰ながらボランティアをしていることを知り、やはり人は外見ではないなとつくづく感じました。
 将来は、心理学を勉強するために大学への進学を希望。しかし、医療系への道ではなく、広告やマーケティングを心理学的に分析したいとのこと。好きな言葉は「雲外蒼天」。海音さんの今の信念を貫けば、どんな試練でも、努力によりきっと乗り越えることができるはずです。その信念こそが人を輝かせるのです。
(担当 角)




卒業生はいま 

済生会境港総合病院勤務

  澤口 凜花 さん 
 
 現在、済生会境港総合病院で勤務している澤口凜花さん(二十四歳)。米子西高を卒業後、浪人することを決め、鳥大の看護科を目標として若葉の大学受験科に一年間通いました。 
 私は政治経済を担当していましたが、授業以外の時間でもよく質問をしてくれたことが印象的で、その回答をノートに綺麗にまとめていたことを今でも覚えています。そして一年間の苦労が報われ、見事第一志望に合格しました。
 大学生活の最初の年は、コロナが流行する前だったこともあり、楽しいキャンパスライフを過ごしたそうです。特に記憶に残っているのが、サークルの先輩たちと一緒に行った沖縄旅行。実は社会人になった今でも仲良くしているとか。交友関係が幅広いところも彼女の魅力です。
今は、外科や内科に関わらず様々な仕事内容を覚えていく日々で、月に三回ほどの夜勤も合わさりハードな毎日を過ごしています。コロナ禍の中でなおさら大変だと思うのですが、「職場の雰囲気も良く、仕事は楽しいです」と答えてくれたことがとても頼もしく感じました。
 ミスターチルドレンの曲『星になれたら』に「長く助走をとったほうがより遠くへ飛べるって聞いた」という歌詞があります。これは、彼女の好きな一節です。「長く助走をとる」というのは、夢への下積み経験の必要性を説いているものだと思います。若葉での浪人生活は、きっと無駄なものではなく、今でも人生に意味を持たせたことを表しています。若葉の後輩たちの背中を押す応援メッセージですね。
        (担当 古徳)

 

学園ニュース(高校リターン科)

楽しい!クラーク高校の「特活」&「体育」

 クラーク高校では体育以外にも教室から飛び出して行う授業があります。特別活動、略して「特活」。今回はマイクロバスで出雲大社に出かけました。
 いやー、いつ見ても立派な「しめ縄」ですね。天気は晴天。平日なので、観光客もまばら。雲一つない青空の下、みんなで気持ちのいい時間を過ごしました。
 その翌週、今度は体育で大山登山、の予定でしたが、生憎の荒天でやむなく登山は中止。代わりに米子市下新印にある箕蚊屋体育館で、ドッジボール&大縄跳びの授業になりました。
 ドッジボールは大いに盛り上がり、大縄跳びは「8の字跳び」にも挑戦しました。縄を回す人の周りに8の字を描くように動いていく跳び方です。難しいですよ。          
(担当 鈴木)


職員随想 




テレビ時代劇の衰退
  
 河田 健二



 ここ数年「NHK大河ドラマ」を最終回まで視聴するようにしていたのですが、いわゆる「積読」状態のビデオが増えすぎたことと、申し訳ないけれど三谷幸喜氏の脚本のユニークさについていけず、現在の「鎌倉殿の十三人」は十回程度で見るのを諦めました。来年の「どうする家康」は時代的には戦国時代~江戸時代という魅力的な時代なので、再びトライしようと思っているのですが、「どうする」というタイトルのポップさにやや不吉な予感もあります。ちなみに再来年の主役は紫式部だそうで、自分の中に乏しい平安時代の知識を得ることができそうだと期待しています。
 時代劇には、たとえやや時代考証にこだわらない民放のそれであってもそれなりに日本史の知識を学べるものがあります。例えば「大岡越前」は享保の改革、「江戸を斬る」では天保の改革とそれを行った老中水野忠邦の勉強に役立ちました。水野の下で北町奉行を勤めた遠山景元(遠山の金さん)が改革反対派だったのに対し、南町奉行を勤めた鳥居耀蔵が親水野派だったこと、最終回で鳥居耀蔵が四国丸亀藩預けになったことなどは史実に基づいています。蛇足ですが数年前に家族旅行で金毘羅さんに参拝し、丸亀城の近くを通過した際には「ここか」と感慨をもって眺めました。 
 昭和の時代には毎晩のように放送されていた時代劇ですが、寂しいことに現在ではNHK以外の放送がありません。時代劇衰退の理由の一つは、現代劇に比べて製作費がかかること、いま一つは視聴者層に高齢者が多いことです。特に民放の時代劇のストーリーは娯楽性を偏重して勧善懲悪ものが多く、毎回悪役が登場しては約45分で水戸黄門は印籠を出し、桃太郎侍は悪人を切り、仕事人は殺しの技を披露する。このマンネリと言うべきストーリーのわかりやすさ、不変性に高齢者は安心を覚えるのです。水戸黄門が珍しく2週にまたがった時には「私は高齢で来週は生きていないかも知れないから、2週連続は止めて欲しい」とテレビ局に投書があったというエピソードもあります。
 最近の若い世代は、ドラマを2倍速で見て、違法性はともかく映画を短く編集したファスト動画で情報を得ています。また、某学習塾では90分の講義を早送りして60分で流しているそうです。スマホでLINEをチェックしながらPCとテレビでそれぞれユーチューブと録画番組を倍速で鑑賞するという猛者もいるようです。これをコストパフォーマンスならずタイムパフォーマンスと言うそうです。そんな若い世代が、残り10分でストーリーの分かってしまう時代劇を55分も見ることはないのでしょう。
 時代劇の擁していた勧善懲悪性は、まだまだ多くの人々の共感を得るようで、現代劇に引き継がれています。半沢直樹を始めとする池井戸潤原作のドラマ、陸王、下町ロケット、ノーサイドゲームなど、権力を持ち、私腹を肥やす悪役が、誠実さを武器とする主人公にやっつけられるというストーリーは、高い視聴率を獲得しています。この手のドラマを見ていると、主人公の成功にカタルシスを覚えつつも、自分はどっち側の人間だろうと考えてしまいます。必ずしも誠実でなく、時には長いものに巻かれることも多かった自分は、どっちかというとやっつけられる側ではないのか・・・
 今春のドラマは、「オールドルーキー」を除き、すべて視聴率が1桁だったそうです。時代劇の次はテレビドラマ自体の冬の時代が来ているようです。

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