本文へ移動

新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第657号 (2022年3月号) ε(イプシロン) ー δ(デルタ)論法  校長 小田原利典

今月の短歌


どんな子が春に入ってくるのかな?
言われてみたいな「先輩!」と


米子校舎 中学1年 渡部 月葵



君たち僕たち① 
松江校舎 中学3年
小倉 果穂さん


 今回は松江校舎に通う小倉果穂さんを紹介します。果穂さんは、昨年の4月から若葉に通学してくれている受験生です。果穂さんは、とにかく真面目で頑張り屋です。集中力はすごいもので、こちらから休憩しようと声をかけなければ、いつまででも問題と向き合っています。そして字がとても丁寧です。小学校の時からずっと硬筆コンクールで金賞をとり続けています。この紙面ではお見せできないのが残念なほどです。
 果穂さんの特技はトランペットです。夏までは吹奏楽部にも所属していたので、コンクールにもたくさん出場しました。
 そんな果穂さんが今、とても楽しみにしていることがあります。春に家族で船通山に登り、カタクリの花を見ることだそうです。頂上で一面に咲くカタクリの花は、別世界と思える光景だそうです。毎年行っているので、今年は希望する高校に合格して、必ず行きたいそうです。そのために、もう直前にせまっている県立高校の入試に向けて努力を続ける果穂さんです。
      (担当 兼折)

君たち 僕たち② 
米子校舎 高校1年
大林 杏紅さん


 1年前に生命科学科を志望する理由を「牛が好きだから。」と話してくれた大林さん。正直に言うと「え、なんだって?星と聞き間違えたかな?」と思っていました(笑)。今、改めてその真意を尋ねてみると「犬や猫はちやほやされるのに、肝心の人の体を作っている牛は、家畜になって敬意が足りない。だから、牛の獣医になりたい。」ということみたいです。なんともユニークな発想で数学者向きですね。
 生命科学科に合格してからは、GSCという高校生が大学レベルの科学に触れる取り組みに参加して、魚類の行動心理学の研究を始めました。何度も広島に足を運び、忙しいときには一週間で40時間も研究に費やしたそうです。努力の甲斐あって研究成果が認められ、専門の大学教授にマンツーマンで指導を仰ぐ機会を得ることができました。日々の学習との両立もできているから、頭が下がります。
 「塾が楽しいです。戦友がいっぱいいます!」という大林さん。群れるのとは違う仲の良さを、これからも大切にしてほしいと思います。
(担当 小西)

卒業生はいま 

岡山大学文学部
芸術学・美術史専攻

  永見 万智さん 

  現在、岡山大学一年生の万智さん。コロナ禍での大学生活スタートとなりました。授業はオンラインで部活は停止という状態が、約二ヶ月続いたそうです。一人の時間を楽しむことができる彼女でさえも、「さすがに少しおかしくなりそうでした」とのこと。再開後は人恋しさからか、部活を始める人が増えたそうですが、大学非公認の部活やサークルでは、コロナ対策が不十分な場合があるそうなので、ご注意を。
 進級後は、芸術学・美術史を専攻し、芸術を主軸に、哲学・心理・社会学・教育についても学ぶ予定です。文学部は学べる内容が多岐にわたるため、「将来のこと、学びたいことが未定、または多くある人には、おすすめです」と話す彼女でも、学部選択に迷った過去があるそうです。自分の選択が『逃げ』である可能性をも考え、苦しい思いをしたそうですが、それでも必要以上に悲観せず、冷静に自分を見つめた結果、「文学部を選んで良かった」と笑顔で話してくれました。芸術文化に携わる将来を見据え、知的財産管理技能検定(国家資格)の勉強もしています。「検定は自分のレベルを確認したり、知識の質を上げたり、基本的に興味本位」と淡々と話しますが、好きなドイツ語の検定も受けるそうで、その勤勉さには頭が下がります。
 今回書ききれなかったことも含め、万智さんの話は、自身の経験に基づく他者への思いやりに溢れていました。主体的に学ぶことのできる彼女なら、きっと自分の思い描く夢を叶え、多くの人を笑顔にすることでしょう。
(担当 井田)

学園ニュース(米子校舎)

「ファイナル・プラクティス」 入試直前対策やっています!

  二月の土曜日に実施される「ファイナルプラクティス」。中学三年の通学生のみを対象とした入試直前対策授業です。本来は三月の県立入試後に行われる授業を二月に前倒しして、入試対策に特化した内容の講義を行っています。
 普段の三クラスを志望校別四クラスに再編成していることもあって、いつもより座席に余裕がある様子。ただこの日は今年二回目のファイナルプラクティスで高専一般入試の前日。写真には写せませんでしたが、生徒たちの表情に余裕はありません。みんな頑張って!
 このあと生徒たちは、通常の夜間授業も受けてから家に帰ります。三月の県立入試本番まで本当に大変な日々が続きますが、自分を信じてラストスパート!
(担当 鈴木)

職員随想 




(イプシロン) ー δ(デルタ)論法
  校長 小田原利典




 コロナウイルスが再び猛威をふるっている。こうした毎日、日常生活では相変わらず巣ごもりを決め込んでいる。書斎にこもって読書をしたり、TVを楽しむことが日課となった。生涯学習よろしく、また好奇心が旺盛なので、計画性なくさまざまな領域に首を突っ込んでいる。プロ野球観戦がシーズンオフとなり、机に向かう時間が増え、数学の数論を本格的にかじってみようと思うようになった。数論の世界は自然数・整数・有理数・無理数、素数などを扱うが、これらの関係には不思議さや美しさがたくさん潜んでいる。また、難解だが、カントールの集合論をはじめ、無限や有限のことを考えてみるのもスリリングである。
 さて、数直線上には実数が連続してすきまなく詰まっていると考えられるが、この連続の証明に十九世紀、数学者コーシーがε―δ論法という手法を考案した。まずは、この論法を理解するところから始めることにした。実は少し訳ありなのである。
 理工系の生徒は大学に入学するとたいてい数学が必修科目で、高校時に勉強した微分・積分の発展となる「解析学」という科目を履修させられる。そして最初にε―δ論法が現れるのである。関数が微分可能であるためには、連続であることが必要で、そのことを高校では曖昧にしか教えない。まずここでしっかりと証明しようということのようである。ところがこのε―δ論法は難解で、多くの学生が理解できなくてダウンしてしまう。世間では悪魔のε―δ論法とか言われている。私も学生当時、さっぱり分からなかった。出てくる不等式がどんな意味を持つのか理解できない。困っていると、隣の学科の同級生が自分たちのクラスの使っている教科書は詳しいからこれを読めと、しばらく貸してくれた。高木貞治著「解析概論」というぶ厚くて硬い表紙の、まるで百科事典を小さくしたような本だった。こんな重い本をと思いながら紐解いてみると、さすがに詳しい説明がなされているが、私にはほとんど理解できなかった。悲しいかな、ええい捨てよとε―δ論法の理解は断念し、次の章へと進んだ。その後の展開は偏微分や重積分など、形式的な計算なので何とかこなし、単位はそこそこの成績で取れた。しかし、このことは傷となって残った。
十年ほど前、県立高校の校長をしていた時、京大・文学部出身の若い国語の常勤講師の方がいた。優しく朗らかな人柄で、生徒からは人気があった。彼と廊下ですれ違うと、いつも大きな本を小脇に抱えていた。ある日、「その本は何ですか?」と尋ねると、本を差し出して見せてくれた。な・なんとこれはあの高木貞治の「解析概論」ではないか。「国語の教師のあなたがなぜ数学の専門書を持って歩くのですか」と尋ねると、「哲学をやっているのです。」と返ってきた。「そうですか、そうなんだ・・」、言葉が続かず、同時に、若い頃のε―δの古傷が痛んだ。これはいつかどこかで治療せねばなるまい。 
 数学とは自然と違って人間が創り出したもので、その体系の中で発展していくものだと思っていた。しかし最近、物理学のように自然の中に潜む真実を解明していく学問ではないかと思うようになった。「万物は数からできている」とは古代ギリシャの哲学者ピタゴラスの言葉である。ところで今回私はε―δ論法を攻略できたのか?小さな声で言おう「不等式の意味は分かった。少しだけ、でも・・」。そしてこの紙面をお読みの方々へ「応援して下さい」と。
4
6
6
5
6
4
TOPへ戻る