本文へ移動

新! 学校報「泉」 アーカイブ

若葉学習会学校報「泉」 第655号 (2022年1月号) 「物語(ストーリー)」のあるレストラン  門脇 条司

今月の短歌


おおみそか年こしそばを食べたいな
まだかまだかと心がはずむ


米子校舎 小学6年 井上 美聡



君たち僕たち① 
境港校舎 中学1年
榎木 亜門さん


 何事においても物怖じせずに積極的で、チャレンジ精神が旺盛な亜門君。小学6年生の時に英語検定試験の準2級を、今年の4月には数学検定試験の準2級も取得したそうです。どちらも高校1年生終了時の知識が必要なことですから、並大抵の努力では成し遂げることはできません。
 彼の名前はお母さまがつけられたそうで、その由来は境港校舎に通っているお姉さんの亜瑚さんの1文字を採り、もう1文字は昔活躍した人をイメージしてよく使われていた漢字を選ばれたそうです。
 将来の夢をたずねてみると、今のところは数学が大好きなので、これまでの数学者たちが解けなかった数々の難問を解けるような学者に憧れを抱いているようです。
 若葉の授業は学校で教えてくれない細かなことまで教えてくれ、授業を受けるたびに毎回新しい発見ができて楽しいとのこと。いつも努力しているお姉さんの姿を見て、自分も負けないくらい頑張らなければと思う誠実な性格の持ち主です。これからも彼を応援していきたいと思います。
(担当 美柑)


君たち 僕たち② 
米子校舎 高校2年
中島 凜さん

 若葉の近所ですれちがった方に「こんにちは!」と明るく挨拶する凜さんをみかけることがあります。彼女からすればごく当たり前のことなのかもしれませんが、僕にはとても偉大なことに思えました。話好きで人懐っこい。でも礼儀正しい。加えて物の本質がよくわかる。意識せずとも周りによき影響を与える不思議な力を持っています。少なくとも僕は、自然体の彼女の姿から学ぶべきことが多いです。
 中一から本格的に始めたライフル射撃の腕前はかなりのもので、猟銃の免許持ちです。夏の大会では全国20位。来春の全国大会出場の切符も手にしています。珍しい競技だからこそ周りの人に興味を持ってもらえることが多く、そこから話の輪が広がっていくことが嬉しいようです。
 「カレーパンマンのような人と結婚したい。イケメン」という凜さん。お弁当箱や射撃の時に使うウチワには、カレーパンマンがデザインされています。素敵な女性になりすぎて、世の中の男性から高嶺の花だと敬遠されてしまわないように注意して下さいね(笑)
(担当 小西)


卒業生はいま 

アートディレクター
グラフィックデザイナー
髙橋 知之さん    

 取材を依頼すると、「自分のことなんて塾の広報誌には向いていないと思うよ。」と一度は断られました。しかし、自分の好きなことにまっすぐ向き合う彼を取材したい気持ちを伝えると、引き受けてもらえました。地元の友人で中学時代の同級生ですが、ずいぶんと会っていない間に、気づけばメディアで取り上げられる彼の活躍の軌跡とその秘訣を知りたかったのが本音でした。
 大阪の広告代理店、地元の印刷会社を経て、2016年に現在の会社に入社。境港の地域経済の発展のため企画デザインした「境港Tシャツ」は、ニュース番組に取り上げられるほどのヒット商品となりました。また、2020年に松江くにびきメッセで開催された「ぶんぶん堂大博覧会」のプロジェクトメンバーとなり、ほとんどの制作物のデザインを担当。この年、山陰広告賞準グランプリを獲得。デザイナーとして確固たる地位を確立しました。その実績が認められ、わずか五年で部長に昇進。抜群の企画力・発想力を活かしたデザインを得意とする彼のよい仕事をするための秘訣は、多方面にアンテナを張り、実際自分で体験して知識を蓄えることと、自分が心から納得したものしか提案しないこと。夢は、年齢を重ねても感性を失わない第一線のデザイナーであり続けること。現場主義で感動するものを作り続けること。
 その信念と、時間を忘れて仕事に没頭できる情熱に、やはり「デザインが好き」という彼のまっすぐな心を強く感じました。
(担当 角)


学園ニュース(松江校舎)


授業のない日も若葉に「おかえりなさい!」 
松江校舎の日常です。

 松江校舎の紹介です。今回はまず高校生について取り上げたいと思います。松江校舎の高校生の授業は週一回・水曜日のみで、個別指導形式で展開しています。松江東高の1年生女子が多く、近隣である彼女たちは授業以外の日も足繁く自習室に通い、真摯に学習に取り組んでいます。
 一方、中学生について。3年生には2学期期末試験後、いよいよあと3ヶ月となった高校入試に向けて、授業以外に週2回の入試対策時間を設けました。毎回登校し、自分の苦手分野の問題をリクエストしてくる生徒もいます。中学2年生においても、間もなく3年生になるという自覚が芽生えてきたのか、ますます授業への集中度が上がってきているように感じています。     (担当 河田)
職員随想 




「物語(ストーリー)」のあるレストラン
 門脇 条司



 新装された皆生海岸のビーチハウスで週末ごとに一流シェフたちが腕を振るうビーチダイニングという企画がこの十一月に催された。私は教え子のすすめで西川毅シェフの料理を堪能した。京都生まれの西川氏は、銀座とフランスブルターニュのいずれもミシュラン星付きレストランでシェフをお務めになった超一流。昨年米子に移住なさり、大山麓で野菜を作りながらよりよい料理を追究なさっているという。当日いただいた料理はまさに氏のテーマである和とフレンチの融合が絶妙なものであった。
 私はおいしいものに目がない。特に「物語」のある料理人やレストランに強く心がひかれる。西川氏はいったい何を思って、スターシェフから田舎の農夫に転身なさったのだろうか。いつか伺ってみたい。
 「物語」と言えば、お祖父さまが営まれていた店舗を受け継いだ二店のイタリアンレストランが思い出される。米子市旗ヶ崎の「オステリア・ヤスダヤ」のオーナーシェフは当校卒業生の大田健太郎くん。お祖父さまのやっておられた割烹の建物と屋号を継承して、食材とワインにこだわったミシュランガイドに掲載されるまでの名店を築いた。出雲市平田の「鍛冶屋と料理」の店舗はなんと店名の通りの鍛冶屋。今年改装されるまでは、今にも職人姿のお祖父さまが現れそうな佇まいだった。一日一組限定の夕食(現在夕食は休止中)はいつも次の年の末まで満席だ。昼食には県の内外から食通たちが集まる超有名店だ。オーナーシェフ大塚祐作さんが本場イタリアで修行なさった腕で作り出すここのピッツァに、「生涯で一番!」とうならされたのは私だけではないはずだ。
 「物語」のあるイタリアンをもう一店。岡山の牛窓オリーブ園内にある「acca」は有名グルメ雑誌の編集長が日本一のイタリアンと公言するお店だ。東京で予約の取れない大人気店をお母さまと二人で切り盛りなさっていたオーナーシェフ林冬青さんは、お母さまの病気がきっかけで環境のいい地方に移ることを決意し、ご自身の修行した南イタリアに似た土地を探し牛窓にお決めになったという。メニューは瀬戸内海でとれた魚介が中心のおまかせコース一種のみ。全八皿、どの料理にも付け合わせや飾り付けは一切なく、最高の食材が極めてシンプルに調理されているという印象だ。メインの魚と肉は店内の大きな薪ストーブで時間をかけてじっくり焼かれる。当然値は張るが、隣接のヴィラが破格なため、日本一のイタリアンフルコース付きの一泊と考えれば、例えば平均的な温泉宿に二食付きで泊まるよりリーズナブルなのだ。
 大山の老舗旅館「雪花荘」は、若女将の発案で空き部屋を利用した「カラダが調うスパイスカレー」をこの秋オープンさせた。元々嗜好なさっていた玄米の良さを広めるために思いついたのがカレー屋。様々なスパイスを駆使し、野菜や肉や魚介にも徹底的にこだわったカレーが毎週二種類ずつ、手作りのデザートとともにメニューに載る。私は「あいがけ」で二回、計四種類のカレーをいただいたがどれも本当においしかった。天真爛漫な若女将との楽しい会話もあいまってか、口コミだけであっという間に人気店となった。雪不足にコロナ禍が重なった昨今、大山の宿のご苦労は想像に難くない。平日の昼食限定で連日満席だそうだが、これが経営的に起死回生となっているかは分からない。ただ、とてもすてきな「物語」がここにはある。現在は冬期休業中、今から春が待ち遠しい。


5
2
5
0
8
7
TOPへ戻る